AI自動化診断レポート
診断対象:サンプル税理士事務所 様(従業員5名・架空の事務所)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業内容 | 税理士事務所(記帳代行・決算・申告・給与計算・年末調整) |
| 体制 | 税理士(所長)1名、スタッフ4名(うち1名パート) |
| 顧問先 | 約60社(法人45社・個人事業15件) |
| 診断日 | 2026年9月8日 |
| 診断者 | 即納AIラボ |
| 診断方法 | ヒアリングシート(10問)の回答をもとに業務を棚卸しし、無料・低コストのツールで自動化できる業務を抽出 |
本レポートは「あなたの業務 AI自動化診断(¥3,000)」の完成サンプルです。事務所名・数値はすべて架空です。
0. 診断結果サマリー
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 自動化候補として抽出した業務 | 12業務 |
| うち「今すぐ着手すべき」TOP5 | 5業務 |
| TOP5の合計削減見込み | 月 約44時間(年 約528時間) |
| 人件費換算(時給2,500円) | 年 約132万円相当 |
| 必要な初期費用 | 0円(既存ツールの機能で対応) |
| 必要な月額費用 | 0〜3,000円(無料プランで開始可能) |
| 最初の1か月で実現できる削減 | 月 約25時間(TOP5のうち1・2・5) |
結論: 高額なRPAや専用AIツールは不要です。すでにお使いの会計ソフト・Google Workspace・スマホの機能と、無料の生成AIを組み合わせるだけで、スタッフ1名分の約4分の1に相当する時間が浮きます。浮いた時間は「顧問先への提案・相談対応」など、AIに任せられない業務に回すことをおすすめします。
1. ヒアリング10問と回答
| # | 質問 | ご回答(要約) |
|---|---|---|
| 1 | 業種・従業員数・主な業務は? | 税理士事務所、5名。記帳代行、月次巡回、決算・申告、給与計算、年末調整 |
| 2 | 1日の中で最も時間を取られている作業は? | 顧問先から届く領収書・通帳コピーの入力と仕訳。スタッフ3名で月100時間以上 |
| 3 | 毎月・毎週くり返し発生する定型作業は? | 月次資料の依頼と催促(60社分)、月次報告書の作成と送付、給与明細の送付 |
| 4 | 現在使っているツールは? | 弥生会計・freee(顧問先により混在)、Excel、Gmail、Chatwork、Google Drive、電話、FAX |
| 5 | 業務のデータはどこにありますか? | 紙(レシート・通帳コピー・請求書)が半分。残りはPDFメール添付、Excel、会計ソフト内 |
| 6 | 顧問先とのやりとりの手段は? | メール6割、電話3割、Chatwork1割。高齢の経営者は郵送・FAXも多い |
| 7 | 過去に自動化を試したことは? | RPAベンダーの提案を受けたが初期100万円超で見送り。Excelマクロを給与計算の一部で使用 |
| 8 | スタッフのITスキルは? | 所長はPCが苦手。スタッフAさんはExcel・マクロが得意。他はメール・Excel基本操作 |
| 9 | 自動化にかけられる予算は? | 月1万円以内、初期5万円以内が目安 |
| 10 | 制約・懸念は? | 顧問先の機密情報をクラウドAIに入力してよいか不安。税務判断をAIに任せることは避けたい |
2. 業務の棚卸しと自動化可能性
ヒアリングから抽出した12業務を「月間工数」「定型度」「自動化の難易度」で評価しました。
| # | 業務 | 月間工数(目安) | 定型度 | 難易度 | 自動化判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 領収書・通帳のデータ入力・仕訳 | 100h | 高 | 低 | TOP5 |
| 2 | 月次資料の依頼・催促 | 10h | 高 | 低 | TOP5 |
| 3 | 顧問先メールの一次対応・返信 | 12h | 中 | 低 | TOP5 |
| 4 | 月次報告書の作成・コメント | 15h | 中 | 中 | TOP5 |
| 5 | 電話メモ・打合せ議事録 | 8h | 中 | 低 | TOP5 |
| 6 | 給与明細の作成・送付 | 6h | 高 | 低 | 次点(給与ソフトの標準機能で対応可) |
| 7 | 請求書の発行・入金消込 | 5h | 高 | 中 | 次点 |
| 8 | 顧問先ごとの進捗管理(Excel台帳) | 4h | 中 | 低 | 次点(スプレッドシート化) |
| 9 | 年末調整の資料回収 | 季節業務 | 高 | 中 | 次点(業務2と同じ仕組みを流用) |
| 10 | 決算・申告書の作成 | 40h | 低 | 高 | 対象外(税務判断を含む) |
| 11 | 顧問先への税務相談・提案 | 30h | 低 | 高 | 対象外(人がやるべき業務) |
| 12 | 税制改正の情報収集 | 3h | 中 | 低 | 次点(AI要約で時短可) |
3. 自動化できる業務 TOP5
TOP1:領収書・通帳のデータ入力 → OCR自動読み取り+仕訳の下書き
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現状 | 顧問先から紙またはPDFで届いた領収書を、スタッフが1枚ずつ会計ソフトに手入力(月約100時間) |
| 提案 | 顧問先にスマホ撮影またはスキャンをお願いし、会計ソフトのOCR機能で読み取り。仕訳は「学習ルール」で自動提案させ、スタッフは確認だけ行う |
| 使うツール | freee「ファイルボックス」/弥生「スマート取引取込」(いずれも契約プラン内の標準機能・追加費用0円)。紙資料は事務所の複合機スキャン or スマホの「Google ドライブ」アプリのスキャン機能(無料) |
| 手順 | 1. 顧問先60社を「PDF・写真で送れる社」と「紙のみの社」に分類(Aさん・1時間)<br>2. 送れる社(推定40社)に依頼文と撮影のコツ(1枚ずつ・影を作らない)を送付。文面は本レポート付録Bを利用<br>3. 会計ソフトの自動仕訳ルールを勘定科目ごとに設定(主要30パターン・半日)<br>4. まず5社でテスト運用(2週間)、読み取り精度と確認時間を計測<br>5. 精度80%以上を確認したら残り35社に展開<br>6. 紙のみの社は事務所で一括スキャン→同じ流れに合流 |
| 概算削減時間 | 月 100h → 月 約45h(削減 約55h)※読み取り確認と例外処理は残る |
| 注意点 | 手書き領収書は精度が落ちるため確認必須。顧問先データは会計ソフト内で完結するため外部AIに情報を出さない |
削減時間のうち、本レポートの合計(44h)には保守的に 17h のみ計上しています。顧問先の協力度で幅が出るためです。
TOP2:月次資料の依頼・催促の自動化
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現状 | 毎月初に60社へメールで資料を依頼、10日・20日に未提出先へ個別催促。誰に送ったか台帳で手管理(月約10時間) |
| 提案 | Googleスプレッドシートで「顧問先・締め日・提出状況」を管理し、Google Apps Script(GAS)で依頼メールと催促メールを自動送信。提出があった社は台帳のチェックで催促対象から外れる |
| 使うツール | Googleスプレッドシート+GAS+Gmail(すべて無料。Gmail無料アカウントは1日100通、Workspaceなら1,500通まで送信可) |
| 手順 | 1. 現在のExcel台帳をスプレッドシートに移行(顧問先名・担当者メール・提出締め日・提出済みチェック)<br>2. 依頼文・催促文のテンプレートを作成(差し込み:会社名・締め日)<br>3. GASで「毎月1日に依頼」「10日・20日に未提出先へ催促」の時間トリガーを設定(当方でサンプルコードを提供可)<br>4. 1か月は自動送信前に下書き保存で内容確認、2か月目から完全自動化<br>5. 提出があったらスタッフが台帳にチェック(1社10秒) |
| 概算削減時間 | 月 10h → 月 約2h(削減 約8h) |
| 注意点 | 送信元は事務所の共有アドレスにし、返信が担当者に届くようにする。郵送・FAXのみの社(推定8社)は従来どおり |
TOP3:顧問先メールの一次対応・返信ドラフト
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現状 | 「この経費は落ちますか」「納付書はいつ届きますか」など似た質問が月100件以上。都度ゼロから返信を書いている(月約12時間) |
| 提案 | よくある質問30件の回答テンプレートを整備し、Gmailの「テンプレート」機能で呼び出す。テンプレにない質問は、生成AIに「匿名化した質問文」を渡して返信ドラフトを作成し、担当者が修正して送る |
| 使うツール | Gmailテンプレート(無料)、ChatGPT/Claude/Gemini の無料プラン、または Google Workspace の Gemini(契約プランに含まれる場合) |
| 手順 | 1. 過去3か月の送信メールから、頻出質問と模範回答を抽出(生成AIに「件名一覧」を渡して分類させると1時間で終わる)<br>2. Gmailテンプレートに30件登録<br>3. 「AI利用ルール」を1枚にまとめて全員に配布(付録C):顧問先名・金額・個人名は必ず伏せる、税務判断の結論はAIに書かせず人が判断する<br>4. AI用の定型プロンプトを共有(例:「税理士事務所のスタッフとして、以下の質問に丁寧に回答する下書きを200字で。断定は避け、詳細は面談で確認する旨を添える」)<br>5. 2週間運用して、テンプレを追加・修正 |
| 概算削減時間 | 月 12h → 月 約6h(削減 約6h) |
| 注意点 | 税務上の判断を含む回答は必ず所長が確認。AIの回答をそのまま送らない |
TOP4:月次報告書の作成・所見コメントの下書き
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現状 | 会計ソフトから試算表を出力し、Excelに転記して前年比・予算比を計算、所長が所見コメントを手書き(月約15時間) |
| 提案 | 会計ソフトのCSV出力をスプレッドシートのテンプレートに貼るだけで前年比・グラフが自動生成される形にする。所見コメントは「数値の変化点だけ」を生成AIに渡して下書きを作らせ、所長が加筆する |
| 使うツール | Googleスプレッドシート(無料)、生成AI無料プラン。テンプレートは当方で作成可(別途「スプレッドシート自動化」サービス) |
| 手順 | 1. 報告書のフォーマットを1つに統一(現在3種類ある様式を統合)<br>2. CSV貼り付け用シートと、関数で自動計算される報告書シートを作成<br>3. 変化点抽出のルールを決める(例:前年比±20%以上の科目を自動でリストアップ)<br>4. AIに渡すのは「科目名と増減率」のみ(会社名・金額は渡さない)<br>5. 所長がコメントを仕上げ、PDF出力→TOP2の仕組みで自動送付 |
| 概算削減時間 | 月 15h → 月 約7h(削減 約8h) |
| 注意点 | freee・弥生でCSV形式が異なるため、貼り付けシートは2種類用意する |
TOP5:電話メモ・打合せ議事録の自動文字起こし
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現状 | 顧問先との面談内容をスタッフが手書きメモ→後でExcelに清書(月約8時間)。電話の用件を付箋で伝えて漏れが発生 |
| 提案 | 面談はスマホで録音し、無料の文字起こしツールでテキスト化。生成AIで「決定事項・宿題・次回日程」の形式に要約し、顧問先フォルダに保存。電話はGoogleフォームで「用件メモ」を入力→スプレッドシートに集約し、担当者に自動通知 |
| 使うツール | Google レコーダー(Android・無料)/ iPhone ボイスメモ+Notta無料プラン(月120分)/ Windows の「ボイスアクセス」、Googleフォーム+GAS(無料) |
| 手順 | 1. 面談開始時に顧問先へ録音の了承を得る運用ルールを作る<br>2. 文字起こしアプリを所長・スタッフのスマホに導入(30分)<br>3. 要約プロンプトを共有(「以下の会話を、決定事項/宿題(担当・期限)/次回予定の3項目で箇条書きに」)<br>4. 電話メモ用Googleフォームを作成し、受付PCのブックマークに固定<br>5. 1か月運用後、要約の精度とフォーム項目を見直し |
| 概算削減時間 | 月 8h → 月 約3h(削減 約5h) |
| 注意点 | 録音データは事務所のGoogle Drive内に保存し、文字起こし後は削除する運用に。機密性が特に高い面談は従来どおり手書き |
TOP5 合計
| 業務 | 現状 | 自動化後 | 削減(計上値) |
|---|---|---|---|
| 1. 領収書のデータ入力 | 100h | 45h | 17h※ |
| 2. 月次資料の依頼・催促 | 10h | 2h | 8h |
| 3. メール一次対応 | 12h | 6h | 6h |
| 4. 月次報告書 | 15h | 7h | 8h |
| 5. 電話メモ・議事録 | 8h | 3h | 5h |
| 合計 | 145h | 63h | 44h/月(保守的計上) |
※ TOP1 は顧問先の協力度に依存するため、55hのうち17hのみ計上。全社協力が得られれば合計は月80h超になります。
4. 導入ロードマップ
| 時期 | やること | 担当 | 削減効果の発現 |
|---|---|---|---|
| 第1〜2週 | TOP2(依頼・催促の自動化)のスプレッドシート移行とGAS設定。TOP5の文字起こしアプリ導入 | Aさん+当方サポート | — |
| 第3〜4週 | TOP1 の顧問先分類・依頼文送付・自動仕訳ルール設定。TOP3 のテンプレ30件作成とAI利用ルール配布 | Aさん・スタッフ全員 | 月 約13h |
| 第2か月 | TOP1 を5社でテスト→展開。TOP4 の報告書テンプレート作成 | Aさん・所長 | 月 約30h |
| 第3か月 | TOP1 を全社展開、TOP4 本格運用。次点業務(給与明細・進捗台帳)に着手 | 全員 | 月 約44h |
5. 費用一覧
| ツール | 用途 | 費用 |
|---|---|---|
| freee/弥生の OCR・自動仕訳 | TOP1 | 既存契約に含まれる(0円) |
| Google スプレッドシート・GAS・Gmail・フォーム | TOP2・4・5 | 0円(Workspace契約済みなら追加なし) |
| 生成AI(ChatGPT/Claude/Gemini 無料プラン) | TOP3・4・5 | 0円(有料プランにする場合 月約3,000円/1アカウント) |
| Notta 無料プラン または Google レコーダー | TOP5 | 0円 |
| 合計 | 初期 0円/月額 0〜3,000円 |
6. リスクと注意点(税理士事務所として特に重要)
- 機密情報の取り扱い — 外部の生成AIには、顧問先名・個人名・具体的な金額を入力しない。「科目名と増減率」「匿名化した質問文」のみ渡す運用にする。有料プランでは「入力データを学習に使わない」設定を必ず有効化する
- 税務判断はAIに任せない — AIはあくまで下書き・要約・分類の道具。最終判断と顧問先への回答は税理士が責任を持つ
- 二重チェックの維持 — OCR・自動仕訳の確認工程を省略しない。特に導入初期は精度をサンプル確認する
- 法令要件の確認 — 電子帳簿保存法など、スキャン保存・電子データ保存の要件は、所長ご自身で最新の要件をご確認ください(本レポートは法令適合を保証するものではありません)
- 属人化の回避 — GASやテンプレートの設定手順を1枚のマニュアルにしておく(Aさん不在時の対策)
7. 次のステップ
- [ ] 本レポートの TOP1〜5 について、着手する順番を決める(推奨:2 → 5 → 3 → 1 → 4)
- [ ] TOP2 のGASは当方の「スプレッドシート/GAS/Excel自動化(¥5,000〜)」で実装代行が可能です
- [ ] TOP4 の報告書テンプレートも同サービスで対応できます
- [ ] 3か月後に「削減時間の実測」と「次点業務の自動化」の再診断をおすすめします
付録B:顧問先への依頼文テンプレート(TOP1用)
件名:【お願い】領収書・請求書の送付方法について
○○株式会社 ○○様
いつもお世話になっております。サンプル税理士事務所の○○です。
今月より、領収書・請求書をスマートフォンで撮影して送っていただく方法を始めました。郵送の手間がなくなり、当事務所での処理も早くなります。
■ やり方(3ステップ)
1. 領収書を1枚ずつ、影が入らないように撮影
2. 会計ソフトのアプリからアップロード(または当事務所宛メールに添付)
3. 月末までに送信
従来どおり郵送をご希望の場合は、そのままで結構です。ご不明点はお気軽にご連絡ください。
付録C:スタッフ向け「生成AI利用ルール」(1枚)
- 顧問先名・個人名・住所・金額・口座番号は入力しない(○○社→「A社」、120万円→「約100万円台」に置き換える)
- 使ってよい用途:文章の下書き、要約、分類、言い換え、表の整形
- 使ってはいけない用途:税務判断の結論を出す、申告書の数値を計算させる
- AIが書いた文章は必ず自分で読んで直してから送る
- 迷ったら所長かAさんに聞く
本サンプルに登場する事務所・人物・数値はすべて架空のものです。削減時間は一般的な目安であり、成果を保証するものではありません。